なんかものすごく良かった。下北沢で暮らしている、どこにでもいるような1人の若者と、彼が関わる人々の日常を見つめていく中で、ちょっとした出来事や変化はあるにはあるんだけれども、それらは決してドラマチックではなく、あくまで日常なのです、というような映画。言ってしまえば「何も起こらない」系の作品。だけど、主演の若葉竜也がめちゃくちゃよくて、なんだかずっと見ていられる。作品のまとっている空気感みたいなものが、すごく心地いい。何も起こらない日常の中にも刺激はあって、なんだかすごくリアル。見ていて心地良い作品だった。事件や展開がどんどん起こる作品よりも、こうした凪のような作品を魅せるほうがずっと難易度高いと思うんだけど、それを見事にやってのけているところに、主演と演出の力量を感じた。