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グリーン・ナイトの2秒前のレビュー・感想・評価

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)
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斬首で始まり、斬首で終わるアーサー王伝説モノという共通点から強く連想したのは『ヘルボーイ』(2019)。アプローチは全く異なるがサービス精神旺盛なところは同じかな。首チョンパや骸骨が印象に残るがどれも戯れのような感触で、むしろ最も残酷に感じたのはベッドに残される一握りの硬貨。

『ア・ゴースト・ストーリー』に引き続きアンドリュー・ドロス・パレルモと組んだ画作りには感嘆した。特にエリン・ケリーマン演じる幽体と彼女の屋敷内で遭遇する場面での、少しでも調整を間違えれば人物の輪郭が暗闇に沈んでしまいそうな危うい光のバランスには息を呑んだ。

物語はオープンワールドゲーをザブクエに寄り道しながら進めているような掴みどころのなさがある。緑の騎士のふざけた言動を見る限り、壮大な“遊び事“と見るべきか。所々の要素から有害なマチズモから脱却する話にも読めそうだが、いかにも“撒き餌“のようで、どこまで本気で付き合えばいいものか。
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