アーサー王の甥でありながら、正式な騎士になれずに怠惰な毎日をおくるガーウェイン。
クリスマスの日、円卓の騎士が集まる王の宴に、異様な風貌の緑の騎士が現れ、遊び事を持ちかける。
「豪胆な騎士は武器を取り、私に一撃を与えろ。その者には栄誉と名誉を与えよう。しかし一年後に私を捜し出し私からの反撃を受けるのだ」。
その誘いに乗ったガーウェインは、一年後、緑の騎士を探す旅に出る。
14世紀に詠まれた作者不明の叙事詩、「サー・ガーウェインと緑の騎士」が原作。
静謐でミステリアスな雰囲気、独特なテンポ感がクセになる大人向けダークファンタジー。
映像がとても美しく、それだけで観る価値がある。
夢か幻か分からなくなるようなフワフワとした余韻が残り、豊かな映画体験となった。
壮大な自然の中、死と隣り合わせの過酷な旅。
ガーウェインは精霊や巨人などの不思議な者たちと出逢い、様々な経験に直面する。
騙されたり、誘惑されたり、助けられたり、問いを投げかけられたり…。
こうした経験を通して、ガーウェインは自身の内面と向き合っていく。
とても難解で、深みのある作品だと感じた。
緑の騎士は何のために遊び事を持ちかけたのか。ガーウェインは旅を通じて、一体何に気づいたのか。
分からないことが多かったのだが、何となくキーワードは「名誉」なのではないか…と思ったりもした。
