アゴーストストーリーやさらば愛しきアウトローなどで知られるデヴィッドロウリーの作品。ガウェイン卿と緑の騎士を元にした話。
若干懸念しながら鑑賞したけど、ちゃんと面白い作品でした。全編通してそう簡単には映像化出来ないだろって思うようなシーンで溢れていたし、しっかりダークファンタジーな世界観が広がっているのが良かったです。ゴーストストーリーと同じくスピリチュアルな展開を映像と音楽でよく描けていたと思います。自然光を意識したのか照明がイマイチな時がありましたが、全体的に撮影でCGは上手く隠せていました。なので安っぽく見えた瞬間ほとんどなかったです。
個人的に結構意外だったのが、映像だけが先行して肝心の中身が薄いというA24あるあるを今作が回避出来ていたことです。今作はおとぎ話の中に小話がいくつもあるようなシナリオ構成ですが、どれも主人公にとって教訓が得られるのが面白かったし、話を引っ張らないのも魅力になっていました。内容もまさに伝説というか、神話的で説得力があったと思います。ベルイマンの第七の封印をダークファンタジーにした感じと言うと褒め過ぎだけど、今作の鑑賞中の感覚はちょっとあの映画に近かったです。
セインツと言い、ゴーストストーリーと言い、今作と言い、しっかりデヴィッドロウリーのファンになりました。今後もこの監督のことは熱心に追いかけていきたいです。
