エイプリル

月影の下でのエイプリルのネタバレレビュー・内容・結末

月影の下で(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

何の前情報もなく見たので、初めは普通のクライムサスペンスかと思っていたのですが、作中にずっと不気味な唯一無二の雰囲気があります。ただこれが良し悪しで、実際の本作のジャンルはSFになります。サスペンスと思ってみていたらSFだったので、そのギャップに頭が追いつくまでに時間がかかってしまい、中盤のあたりはよく覚えていません。
割とネタバラシも早いので、先が気になる展開も序盤で終わってしまったのが残念かな…という感じもします。
中盤以降は主人公の家族関係にフォーカスが当たっていくのですが、結局主人公が求めていた「普通の家庭になりたい」という願いは犯人を殺さなくても成就できたはずなのに、主人公自身がそれを見失っていたという悲しい展開で、そこは非常に悲劇的で良かったです。孫を殺したという過去と、これから運命を背負わなければいけない幼い孫を抱き抱える主人公の心中を思うと苦しかったです。
個人的には、警察手帳を盗まれても姪の世話を押し付けられても主人公が絶対に立ち直るはずだと信じて病院のベンチで待ち続けていたホルトがめちゃくちゃ良い人で気に入りました。
予想以上に人間の心情に焦点を当てた話で、しかも中盤以降は割と淡々と進むので、思っていた映画とは違ったのですが、タイムトラベルによる殺人という衝撃に、最後の最後でその犯人が孫だったという展開を重ねてくるのは意外で、案外良かったです。
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