ゆかちん

2人のローマ教皇のゆかちんのレビュー・感想・評価

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)
3.1
2012年にバチカンの壁で起きたホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(ジョナサン・プライス)と教皇ベネディクト16世(アンソニー・ホプキンス)対話を描く。
事実に基づくお話。

世界史好きとしては、コンクラーベの様子が描かれてるのは、おおおっ!てなった。
ほんまなんかは分からんけど、こんな感じなんかな〜て。
カトリック信者ではないけど、選ばれるかどうかのニュースは見てたなぁ。煙!


主に2人の対話で進む映画。
宗教に馴染みのない日本人には退屈かと思いきや、
2人の演技やバチカン・庭などの景色の素晴らしさと、
会話や場面転換もいい感じのテンポがあるし、
話の内容もわかりやすくなってるから
全然退屈しなかった。

あと、考え方が全く違う人でも、
実際に会って、心からの対話を重ねることで、
お互いに理解し合えるということを示すような作品でもあるなぁと。
こうやって平和を築いていけたらいいのに。。

互いに考え方を全く変えた訳ではないけど、
自分の人生や考え方と相手の人生や考え方を照らし合わせて、
使命を継承するところまでいくというか。

宗教や考え方や価値観は人によって違うし、
相容れないことは沢山あるけど、それで決別したり排除したりせずに、実際に互いを観ることで、
平和を築けるんじゃないかしらというか。

「考え方は違うけど、人として好き」、みたいなの、あってもいいと思うねんな〜。


アルゼンチンの歴史は不勉強やったので衝撃。
アルゼンチンでもこういうことがあったのかと。今のミャンマーと重なってしまう。
そこでベルゴリオが行った対応は、本人は善意だったとしても人々を傷つけただろうし、その人たちから彼が赦されることは無いのかもしれない。
でも、その経験があったから今の彼の考え方があって、親しみやすい枢機卿になったんだろうなぁとも。
その後、彼に救われた人も多いだろうし。

天命を感じで婚約を破棄し、自分で選んだとはいえ絶望していた昔のベルゴリオのシーンがあったんやけど、教皇を継ぐことになるときに、そのときの彼が笑っているシーンも挟まってるのが良かった。昔の彼も報われたのかな。

罪と赦しについて考えさせられた。


ベネディクト16世、最初はとりつくしまもないというか、抜き差しならないというか、自分の考えを通すためにというか、人を寄り付けないというか、そういう感じもあったけど、ベルゴリオと対話することで少しずつ変化し、最後は観光客に接して嬉しそうにするまでになった。
変化というのはいいことだな。
おじいちゃんになっても変われるんだね。

教会の不祥事についての罪はあるけど。。

初めてピザを2人で食べるシーン良かったし、
最後のサッカー観戦は特にニコニコになった。
タオル掲げるのかわいい。

ここら辺はフィクションだろうけど、本当にこんなことがあったらいいのになと。
「これもプレーの一つだ」みたいに互いに言い返したりするウィットにとんだ会話するのも面白い。

アンソニー・ホプキンスはすごいな〜。
でも、ジョナサン・プライスも本当よかった。
親やすい庶民な雰囲気がとても良い。。
ずっと見てられそうだった。
若い頃の役者さんもよかった!

システィーナ礼拝堂、セットなのかもしれないけど、すごかった!!!
あと、衣装も色の対比含めて、絵的にもよくできてる作品でした。
ゆかちん

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