ほのか

2人のローマ教皇のほのかのレビュー・感想・評価

2人のローマ教皇(2019年製作の映画)
4.1
言葉全然わからんくてもイタリア語のサッカー実況楽しそうでしかないし耳心地が良すぎたのでずっと聞いていたいな…。


人がすることとは思えないあの殺し方の映像で、数年前にローマ法王になる日までを観たことを思い出し、あの法王はこの人なのか…!と繋がった。かの映画をなにも知らずに観たので今の今まで観たことすらも忘れていたし、こんなところであの映画と繋がるとは思いもしなかった。内容はほとんど覚えてないけどあのシーンだけはすぐに引っ張り出せるところにあったんだなあ。それほどまでにあの映像は強烈で凶悪だ。


どのジャンルも満遍なく観てる方だと思うけど、宗教ものは避けがちな自覚がある。知識がないし、神様を心から信じるということがあまりピンとこないからだと思う。
だからこの映画も評価だけは横目で見つつ避け続けてきた。避けてはいけない理由で避けていたなあと見終わったいまだからわかる。これは紛うことなきふたりのひとのお話。高尚ながらもどこか身近に感じてしまう映画だった。
分かち合えない相入れない同士だと思っていたけれど、いつのまにかふたりの間にあった溝は溶ける。ひととして対し、友として語らい、この世界中で唯一分かち合うことができるふたりの教皇となった。罪を犯したことのあるただのいち人間であり続けながら、教えと赦しを与え続けるローマ教皇でもあり続けることは、死ぬまで脱ぐことが許されない二足の草鞋を履き続けることに等しい。苦悩と葛藤は拭えないのかもしれない。でもどこかの地点で割り切らざるを得ない。教えとして届く言葉にひとは表情を柔らかくしていく。罪と後悔があるからこそあの場に立ち、発せられる言葉に重みを感じることもあるのだとそう思う。



信じて縋ってその道を貫くと誓った宗教に雁字搦めにされどうしようもなくなり苦しくなってしまうのって難しいなあ。門外漢なのでやっぱりその辺はよくわかりません。