のわーる

フライング・ジャットののわーるのレビュー・感想・評価

フライング・ジャット(2016年製作の映画)
4.4
神の木から力を授かった気弱な青年アマン。母が作った衣装に身を包み悪徳業者に立ち向かう。
敵の用心棒も汚染物質から力を得て凶暴化。汚染された地球上では勝ち目がないと悟り、ジャットが選んだ決戦の地とは。

高所恐怖症のため低空飛行しかできなかったり、好きな女性に近づくため兄に衣装を着せてみたり…あまり格好良くないスーパーヒーロー、それがフライングジャット。

爆笑系のコメディかと思って観てみると、環境問題をテーマにしていたり、後半にドラマティックな展開があったりと、アメコミヒーロー映画に匹敵する内容だった。

GG技術はB級映画並みのクオリティだけど、インド映画特有のキレッキレのダンス、ワイヤーアクションを駆使した戦闘シーン、マッチョな主人公の肉体美…などなど、見どころが盛りだくさんだった。

インドという国は日常に神々が寄り添い、数千年に渡り英雄譚が語り継がれてきた。だからこそヒーローが登場する映画が多く、精神も肉体も美しく描かれている作品が多い。

僕らが子供の頃に憧れたヒーロー像が、この国にはきっと今も生きているのだ。

フライングジャットとは“空飛ぶシク教徒”。シク教はインドでは比較的少数派の宗教で、舞台の街ではシク教が広く信仰されている。ヒンズー教などの他のインド人たちは、もしかしたら違う印象を持つのかも。
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