masahitotenma

恐竜が教えてくれたことのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

恐竜が教えてくれたこと(2019年製作の映画)
3.5
アンナ・ウォルツの児童文学「ぼくとテスの秘密の七日間」を、本作が長編初監督となるシュテーフェン・ヴァウターロートが映画化。
美しいオランダの島を舞台に、少年が、島の少女との秘密の計画を通して、生きる意味を見いだしていく姿をみずみずしく爽やかに描いている。
原題:Mijn bijzonder rare week met Tess、(英)My Extraordinary Summer with Tess (2019)

11歳のサム(ソンニ・ファンウッテレン)は、一週間のサマーバカンスで、家族と一緒にオランダ北部にある小さな島(テルスヘリング島)にやって来る。
死について真面目に考える思索的な少年で、父母(チェッポ・ヘッリツマ、スサン・ボーハールド)と兄(ユーリアン・ラッス)が先に亡くなり一人残された時の孤独に慣れる訓練をしようと考える。
少年の前に、父親は火山の噴火で亡くなり母親(イェネフェル・ホッフマン)とふたり暮らしだという少女テス(ヨセフィーン・アレンセン)が現れ、サルサの練習相手にさせられる。
笑顔を見せるかと思えば急にそっぽをむいて置き去りにされたりと、不思議な少女に少年は振り回される。
実は、少女は、母親に内緒で貸別荘を利用してあることを計画。少女の想いを知った少年は、彼女に協力するのだが…。

「人はいつか死ぬ。小さいぼくはひとりになる。孤独に耐えるようにならなければ」

「○○と○○は思い出を失ってた。12年間、約5752日分も」

「もう訓練は必要ない」

「未来は思い出で一杯だ」

外に、ヨハネス・キーナスト(ヒューホ)、テレンス・シュルールス(エリーセ)、ハンス・ダーレヘッド(ヒレ)らが出演。

とても良質な作品で、主演の少年が自然でとてもよい。少女も好演。
子どもも大人もみんなに見てほしい佳作。
masahitotenma

masahitotenma