MorinoAndo

SEVENTEEN/セブンティーンのMorinoAndoのネタバレレビュー・内容・結末

SEVENTEEN/セブンティーン(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

少年院脱走時のヘクトルの年齢がそのまま題名になっている映画で、少年院で出会った捨て犬のオベハの飼い主が見つかったのをきっかけに少年院を脱走をして、オベハに向かって兄イスマエルと冒険する物語です。彼の若さ故の、物事やニュースに対する探究心やそれに伴った行動や発言のキレ味には本当に驚かされました。しかし、ただ単に頭脳派なだけでなく、心を許した相手には真の愛情を持って接する姿や、あまり他人に心を開かないヘクトルが心を許した祖母やオベハと心を交わす言葉のない会話のシーンに度々胸が熱くなりました。ヘクトルは自分の兄イスマエルに「心がない」と非難していたように、ヘクトルと少し対照的に描かれたイスマエルですが、ヘクトルにどれだけ振り回されても、兄としてヘクトルの出来ない事をサポートして少年院に戻る最後の最後まで面倒を見る姿は確実に兄貴そのものでした。仲の良くない兄弟が、最後少年院の前で交わすやり取りは、ヘクトルとイスマエル同士がお互いを信頼しあった瞬間だと感じます。総評して、青く若いエネルギーが存分に放たれる映画で、何かを追いかける事のカッコ良さ、また兄弟愛を深く感じることが出来ました。画中に出てくる景色も壮大です。
MorinoAndo

MorinoAndo