コロンビアで50年以上続いた内戦を背景に、山岳地帯でゲリラ組織の一員として任務にあたる"MONOS"と呼ばれる8人の青年たちの物語。
始まってすぐに標高4300mの山岳地帯の風景に目を奪われる。雲海ははてしなく広がり、澄んだ空気は画面からも伝わってくる。そんな美しい景色とは裏腹に、青年たちが銃を容易に手にし、気分が高揚すればすぐに発砲する様は、まさに楽園と戦場が交差する世界。そこにミカ・レヴィの異様な音楽が重なる。
キャストも一部を除いては、現地の人たちであったり、実際にゲリラ組織にいた者も含まれるというから、コロンビアの実情が忠実に反映されていると思われる。武器を持つ少年兵が目的を失った時の暴走ほど恐ろしいものはない。
ただ人物の背景や状況の説明が少ない上に、主人公(少年のひとりランボー)の設定があいまいで、アメリカ人女性の人質にも感情移入したくなる為、ストーリーに重きを置いてしまうと、見方が難しくなってしまう。
とはいえ、希望のあるラストにはアレハンドロ・ランデス監督の母国への平和の願いが込められているようだった。やはりコロンビア映画は奥が深い。
*ランボーが川の中で追手から逃げるシーンで、3人は洪水のような激流を身ひとつで泳ぎ下っていた。どのように撮影したのかすげえ気になる🤔普通だったら3秒で溺れると思う💦