叡福寺清子

MONOS 猿と呼ばれし者たちの叡福寺清子のレビュー・感想・評価

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)
3.0
どこの国でどんなイデオロギーかは不詳ですが,とにかくゲリラ活動している少年少女達の日常を描いた本作.映画.comによるとコロンビア内戦を背景との記載がございましたが,作中で直接に語られることはございませんでした.というか,そもそも少年少女にイデオロギー的背景があるのかどうかが怪しいもんでございます,こんばんわ.三遊亭呼延灼です.

Wikiさんによりますと批評家は総じて「思考を促すと同時に視覚的にも長けた『MONOS』は、人間の本質に対する禍々しい見方を示し」と評価しているようでございますが,残念ながら私には彼らが革命戦士ごっこをしているだけで何もしていない,まさに自分達で思考することを止めた「猿」にしか見えませんでした.若年ゲリラの状況を知りたいのであれば,『ジョニー・マッド・ドッグ』を視聴されたほうがよほど有効な時間が過ごせますでしょう.

効果があるかどうかわからない訓練,隊列を組み教官に発言を求める際の仕草,銃器の無意味な乱射とそれに連なる悲劇,無意味な人質(博士には大いに同情いたします),野盗に落ちぶれ現地住民の命を簡単に奪う.私には彼らに人らしい知理性を見いだせませんでした.ゲリラ幹部が少年少女をそのように教育したと訴えたいのであれば,『ジョニー・・・』(以下略)

最後ゲリラを脱退したランボー少年が流した涙が,慙愧の念からくるものであれば救いはあるのですが,果たしてどうだったのでしょうね.