LEONkei

アンジェラのLEONkeiのレビュー・感想・評価

アンジェラ(2005年製作の映画)
2.5
自分は完璧(バランス)に整ったものには美しさを感じない。

前後左右上下…非対称の構造バランスによって美の印象は様々に変化し、人間の脳は不思議なもので非対称の方が対称に見える感覚に陥る性質を持っている。


やることなすこと上手くいかず借金まみれの不男〝アンドレ〟は、自殺を覚悟し橋の上から飛び降りようとした時、高身長の美女〝アンジェラ〟と運命的な出会いをする。

低身長な不男と高身長の美女の組み合わせは、単に容姿だけでなく内面的にもアンバランスの関係性が整い、自分の中の美の構造が出来上がった。

パリの街並みを徘徊する不釣り合いのカップルを、スタイリッシュで日常的に描いたロマンティック(ファンタジー?)コメディ。

不可解な行動を取るアンジェラ役の〝リー・ラスムッセン〟は、俳優には出せない素人っぽさが自然体でいい。

仕草や歩き方や着こなしはモデル出身ならではのポージングで、各シーンファッション雑誌の1ページを切り抜いたような美しさを感じる。


基本的に人間は自分の目で見えるモノしか信じず、物事に対し疑いの目を持って判断する生き物。

いわゆる外見だけ見れば不釣り合いなカップが現実に多々いるが、真実に気づけば何ら不思議でもない。

世の中を見渡せばそう簡単に信じたくもなくなる出来事や人間もいるが、もし目に見えないモノが信じられるような〝気づき〟を与えられたなら…それは何か別次元の悪戯か入れ知恵かも知れない..★,
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