あさ

ユンヒへのあさのレビュー・感想・評価

ユンヒへ(2019年製作の映画)
4.4
何故こういう映画が好きなのかとか、或いは嫌いなのかにはある程度説明ができるくらい根底を考えられる人間になりたかったけれど、好きなものは好きで、心が動く時に理由なんてなくてもいいよね。胸がぎゅっとなった。2021年振り返ったら、鑑賞後に余韻がある映画や釘付けになって稲妻が走る作品はあったけど、思うとそんなに長く愛おしい作品と出会えなかった気がして。しかし、これはずっと覚えていたいなと思ったの。

(既にあまり記憶は朧げなのだけど)岩井俊二の中国キャスト版『チィファの手紙』や『はちどり』を思い出したり。時代の荒波を異なる世代を交えて描くのは『キム・ジヨン』にも通ずるものがあるのかもしれない。今も荒波は続いているけれど、この物語に登場する若者2人は希望をくれる。初っ端に絶望的な冷たさを放つように思っていたのに、娘セボムちゃんの優しさったら。そして彼氏も仏の様に優しい。

終わり方まで、ゆっくり丁寧。予備知識もなく、試写を見た人の好感触を見かけて期待はしていたけれど、とても好きな作品だった。煙草と猫と雪の映画。(違います)海辺を列車が走るシーンも美しかったなあ。うう…好き。
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