“1日でこんなに違うなんて”
フロリダの美しい風景を背景に“プレイリスト・ムービー”との触れ込み通り、PVみたいなカメラワーク、ヴィヴィッドな映像、刺激的なサントラ、環境音やセリフの音響までもが巧い。
しかしそこだけで終わらないのがA24。彼ららしいオリジナリティとクオリティ。ストーリー的にもズンと心に重く響く作品でした。
前半は兄のタイラーの物語。ノリノリで生を謳歌してるようにみえた若者が、絵に描いたように堕ちていく。みてるのが辛い。
父の期待に応えたかった気持ちが、悪循環を生んだのがいたたまれない。
後半は妹のエミリーの物語。エミリーとルークはすごく丁度いい顔してる。
止められたかもしれない
エミリー自身も後悔の念を激白するシーンはほんとうに苦しいものだったが、それが家族の再生のキッカケになっていく。
10代の不完全な脆さを描いてるわけだけど、両親も含め不完全な人間たちの苦しみと再生を突きつけられた。いやはやA24すごいな。
兄タイラー役のケルビン・ハリソン・ジュニアはこの後「シカゴ7裁判」や「ルース・エドガー」などに出演。「Black Panther」のスターリング・K・ブラウンが父親役でしたね。