せ

WAVES/ウェイブスのせのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.5
重いーーーーーーー!!!!
ですが、なかなか良かったです。
青春モノだと思って観るとびっくりします。


若者、大人、家族の在り方。
それぞれが抱える愛と憎しみ。
家族の再生。

メインキャラは全員涙を流しています。
もちろん大人たちも。

H.E.RやKendrick Lamar、Radioheadなど使用楽曲も贅沢で暴れられます。どうやら主人公、ケンドリックファンぽい。音楽の使い方が繊細で上手い。入れるタイミングも慎重に選んでるんだろうなと。

デカハウスに住み、裕福なご家庭で暮らす主人公。彼はレスリングだけでなくピアノもできるし、可愛い彼女もいる。
家族全員で教会に行き、外食もするくらい家族関係も普通に良い。すべてがある。

でも、怪我をきっかけにどんどん彼にあったもの全てが消えていってしまう。
転落。

主人公の彼女が望まない妊娠をする、というのはよく映画にある展開だけど、彼女を主人公が殺してしまうのには驚いた。

何がいいかって
突如はじまる妹、エミリー章のとこだよね。
彼女は家族を滅茶苦茶にした兄への憎しみやら自責ですごい辛いわけです。
事件以降にできたエミリーの彼氏(またもやルーカス・ヘッジズのご登場)には過去に問題があって別れたままだった父親がいるが、癌で長くないと知りついに会いに行く→
そして父の最期を見届けて彼が泣く姿を見る。→エミリーは自分の状況を冷静に客観視できたのか、これきっかけに家族再生に向けて一歩進むようになるんですよね。

思っていた500倍重めの話なんですがうまい具合に激鬱な気持ちにはならない終わり方へ繋がるわけです。

まるで回っているような撮影方法が面白いし斬新。闇夜の中に浮かぶ青やオレンジなどのビビットカラーのネオンやライトが印象に残る。
せ