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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

@IMAX

テーマは技術革新(特にAI)によってもたらされた手間。イーサン・ハントとその仲間の行動は機械に翻弄されまくる人間を象徴。ひたすら迂回するようにイーサンのポケットに鍵は収まり、一度死んだかのように見えたイルサは本当に亡くなる。グレースは一度拒否するものの仲間に。しかもネットを通してではなく、直接本人に向かって言う。「何かを売ってしまった気がする」とは私達の生活についてでもある。

ひたすら暗中模索するプロット。空港での迷路のような写し方、(『戦艦ポチョムキン』のアレの後の)車でのエンストとひたすらぐるぐる廻るだけのシーン、左右上下が入れ替わったかの様なオリエント急行のシーンは見事に呼応。アクションシーンをキートンになぞらえている人もいるみたいだが自分はそうは思わない。固定カメラの前で身体の躍動を映した彼とは違い、今作は冒頭の戦艦シーンを除くとカメラを傾けたり、手前/奥の動きに翻訳されるような設計になっているし、VFXの配置初めまったく別物。

で、結局我々が冒頭に「見た」ものにイーサン達は辿り着いただけで幕は閉じる。この観客への信頼。非常に感動した。こんなテーマをアクション映画に出来るのはトム・クルーズ以外いない。
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