アキラナウェイ

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

4.7
1996年に始まったM:iシリーズも本作で7作目。回を重ねる毎に激しくなっていくトム・クルーズの命懸けアクション。世界一の高さのドバイのビルでのアレも、飛行機にしがみついていたアレも、ヘリコプターにぶら下がるアレも、そして今回のバイクのアレも、一度でも失敗していたら死んでるんだよ!?トム様よ!!

ホント、命知らずな生粋の映画人。

ロシアの次世代潜水艦"セヴァストポリ"に搭載された新型AIシステム"エンティティ"を巡る新たなミッション。IMFエージェントであるイーサン・ハント(トム・クルーズ)はアラビア砂漠に潜伏する元MI6で盟友であるイルサ・ファウスト(レベッカ・ファーガソン)から十字架型の鍵の半分を取り戻すようIMFに命じられる—— 。

今回もアクションが目白押し!!

フィアットによる、イタリアの街を疾走するカーアクション(「ワイスピ」の新作での既視感はあるが…)、銃撃戦、断崖絶壁からのバイクダイブ、列車の上での格闘シーン。長尺でも全く飽きさせないのは、次から次へとアクションの見せ場で繋いでくれるから。

それにしてもよ。

"エンティティ"を制御可能とする2つで1つの十字架型の鍵は、その名の通り作品の鍵でもあり、初登場のグレース(ヘイリー・アトウェル)がスリの名手である事も相まって、あっちの手に渡り、こっちの手に渡りを繰り返すのだが、そんなに大事なものならスーツケースにでも入れときなさいよ…。

そして、それにしてもよ(2回目)。

グレースの評判がすこぶる悪い。

ストーリーの展開がイルサかグレースかの二者択一となっているのが先ず難点。シリーズを追いかけてきた者としては、イルサに愛着…いや愛情が沸きまくっているものだから、ポッと出のグレースなんて何処の馬の骨かわからない泥棒ネコにイーサンを盗られてたまるかって心情にもなるよ。嗚呼、イルサ…。

このシリーズはチームでの絆を描く事に心血を注いできた。ルーサーが「イーサンはダチだ」と言い、ベンジーはイーサンによって身体に爆弾を装着された状態から救われた。本作でもイーサン自らがチームメイトである彼らの命を守る為に戦っていると公言している。イルサの初登場では、敵か味方か何度も掌を返す彼女に観ているこちらも翻弄されたが、そんな彼女も含め、チームは何度も苦難を乗り越え、互いの絆を強めてきた。だからこそ、グレースの登場にシリーズを追いかけてきたからこそ戸惑うのだ。

グレースは好きになれないけど、ホワイト・ウィドウ役のヴァネッサ・カービーはお美しいし、個性的なメイクで登場のポム・クレメンティエフは、キレッキレのアクションで魅了してくれる。

この作品は女性が大活躍だな。

AIの暴走とあって、デジタルに頼りっきりだったイーサンらが苦境に立たされる展開も新鮮で良い。ベンジーの声で騙されるとかね。上手い。あ、ベンジー、自動運転の車とか乗らないで欲しい。死ぬんじゃないかとヒヤヒヤした。

ラストバトルの後、ここで終わりかと思いきや、もう一つ見せ場が。列車が一両ずつ崖から落ちていく中を上へ上へと列車内を登っていくアクションも楽しかったぁ〜!!

ここまで書いてきてなんだけど、佐藤浩市に似たあのヴィランの人、影薄かったけど次作でもイーサンの前に立ちはだかるのかしら?

という事でシリーズ初の2部作。

公開は25年とか、またストーリー忘れちゃうじゃんよ!!佐藤浩市似の人の事はきっと忘れちゃう。