EDDIE

コリーニ事件のEDDIEのレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
4.7
1人の模範市民がなぜ殺人を犯したのか。そこにはドイツの歴史を脅かすとんでもない秘密が隠されていた!法治国家ドイツの知られざる畏怖たる事実。真実を明かすべく立ち向かう新人弁護士の傑作法廷劇。

劇場公開時、めちゃくちゃ観たかったのにスケジュールの都合上スルーしてしまった作品。これは劇場で観なかったことを後悔…とても好みの法廷劇でした。

話としては、殺人犯の国選弁護人になった主人公カスパー・ライネンなんだけど、その殺害された相手が自分の古くからの育ての親同然の恩人だったんですね。
しかも昔恋仲だった幼馴染のパパということもあり、なんでそんな奴の弁護引き受けるの!?ってな具合に揉めちゃったりもするわけです。
しかもカスパーは弁護士なりたてのド新人。法廷での振る舞いを見ていても不慣れなことが一目瞭然。
細かい演出の仕方からすべてにリアリティがあって、とても見応えがありました。

完全に実話だと思っていたんですが、弁護士で小説家のフェルディナント・フォン・シーラッハの同名小説を原作としたフィクションのようですね。
ただ実在する「ドレーアー法」という法律の問題点を突いた作品ということで、小説出版後に調査委員会が置かれて“法律の落とし穴”について実際に協議されたとのこと。これがより作品にリアリティを与えているんですね。

小説家のシーラッハは弁護士としてもかなり実績を積んだ有能な人物のようで、彼の視点で語られる法廷劇はそりゃあ本物っぽくなりますよね。

とにかく2020年の年間ベストを脅かすぐらい面白かったです。
今回ポイント鑑賞しましたが、もし今後見放題とかなったらまた観たくなる傑作でした。

※2020年自宅鑑賞322本目
※U-NEXTにてポイント鑑賞
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