吉良貴之

コリーニ事件の吉良貴之のレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
3.0
1968年ドレーアー法でナチスの犯罪が免責された「国家的犯罪」に対する私的正義は許されうるか?ということで、実際にあったこととはいえ、なんかこういう筋立てにすれば法哲学っぽいことを問題にしているように見えるでしょ?という安直さが気に入らない。過去を隠そうとする暗い情熱をもっと描くぐらいすればいいのだけど、主人公のトルコ系出自が強調されて家族ドラマみたいにもなっていて(ついでにいえばイタリア観光映画)、どうも映画の焦点が拡散してしまっている。映像としては法廷映画なので面白いところもないが、裁判所直結の変な地下牢みたいなのは本当にあるのかな。
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