はちみつ小町

コリーニ事件のはちみつ小町のネタバレレビュー・内容・結末

コリーニ事件(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

イタリア、ドイツと来たらナチス絡みだと思ってみていたら、やっぱりそうだった。意外だったのは、ドイツが法律でSSを守っていたこと、コリーニ事件までそれを誰も知らなかったこと。

主人公・カスパーの弁護士成長物語でもある。傍聴人ぎないのにローブを着た新人弁護士は、恩人の被告人弁護だと知り、断ろうと法ではなく情で動く。それを諫めた教授が最後、ハンス・マイヤーの戦争犯罪を認めたさせたのは、法律家として焼香を揃え、論理立てて弁護が出来たから。

それまで、人徳者の人の孫として育ったヨハナはどうやって生きて行くんだろう?周囲の冷たさに耐えられるだろうか。彼女は、カスパーを「祖父の支援がなければ、ケバブ屋の店員でしょ」と罵ったけれど、これからは彼女が「戦争犯罪人の孫でしょ」と言われる事を分かっているんだろうか。裁判後、カスパーに手を重ねてけれど、そのまま立ち去ったカスパー。彼女に本物の味方がいれば救われるけれど。

個人的には、コリーニさんは戦争犯罪が認められた時点で自殺するのではないか?と危惧していただけに、それが現実となって残念。でも、情状酌量が認められても長期刑は免れなかっただろう。

「法は、罪を真っ直ぐ裁いている様で穴だらけで捻じれている」
そう感じた。