ししまる

コリーニ事件のししまるのレビュー・感想・評価

コリーニ事件(2019年製作の映画)
4.0
新米弁護士は実業家殺害の罪に問われた被告の国選弁護人に就くが、被告は動機について一切口を閉ざし、弁護士が調査を進めるうち、戦後ドイツの不都合な真実が明らかになる。
地味だけど重厚なドイツ作品。日本で言えばなんとなく横山秀夫作品のような。前半はやや退屈だけど、後半は俄然面白くなる。弁護士チームの結束も良い。本作は第二次大戦と戦後のドイツの闇を抉っている。物語自体はフィクションだが、実際に1968月にドイツ連邦議会で可決された秩序違反法施行法とそれに伴う刑法の一部改正法、いわゆるドレーアー法をテーマにしている。ネタバレになるからこれ以上は詳しく書けない。。ドイツの歴史と今の司法制度を知っていればさらに理解が深まったかも。
✅メモ
弁護士でもあるフェルディナンド・フォン・シーラッハの同名小説が原作。本作で描かれた「法律の穴」は反響を呼び、ドイツ連邦法務省が過去再検討委員会を設置し調査に乗り出した。
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