特に大きなテーマというものは提示されず、自然と物語が進んでいくことで繋がってくる共通点。
誰かを想ったりする前の過程がメインで描かれている。 "誰かの為に何かしたい"と思ったり "誰かに何かをあげたくなったり" そして気付いたらその人を追っていたり。。
セリフまわしは一部シーンを除きとてもあっさり。あっさりはしているとナチュラルに見えがちだが、それに付け加え淡々と行動に移したり、出来事が起こったりしてしまう為、細かな所は描かれぬまま。
この現象が悪いという事ではない。寧ろいい方向に傾いている。
置いていかれない程度に淡々と進んでいく事で、役の変な干渉が省かれ、鑑賞者がその空間に入り込むスペースを確保してくれている。
強いて言うなら余韻が欲しい所の余韻が少なかった。
手紙を読むシーンだったりは"文面を読み上げ、手紙を畳む" ではなく "文面を読み、手紙全体や文字の形をみて相手を想像し想いを噛みしめる"くらいの時間が欲しかった。
好きな人からもらった手紙はそんくらい何度も惜しみなく観ていても嫌味ったらしくはないだろう。
手紙の良さは相手が書いた文字の形やインクの濃さ、乱れた字列などたくさん人っぽさが出せるのに綺麗で味気ない文字だったし惜しいなー。
