もりいゆうた

失くした体のもりいゆうたのレビュー・感想・評価

失くした体(2019年製作の映画)
4.3
アカデミー賞2020の長編アニメーション賞ノミネート作品。最初の15分くらいはよくわからなくて外したかなぁと思っていたら、途中からぐんぐん引き込まれていって、ちぎれた手がどうつながってくるのかという謎がちりばめられてたおかげで80分あっという間だった。設定が独創的で、短いのに深みがあってとてもいい作品!!

あとガブリエルの初登場シーン、ナウフェルが「事故で配達が遅れてしまった」と言ったときの、彼女の返答が素晴らしかった。ナウフェルは真っ先にピザの状態を答えたけども、ガブリエルが案じていたのは、事故を起こした彼自身の体のことだったのだ。このやりとりに心を掴まれて最後まで見た。

主人公は明確な幸せを掴みとったわけでもないけれど、どこか救いがあったというか、生きる希望みたいなものを最後に掴めて心が揺さぶられた。