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ストレンジ・アフェアのSPNminacoのレビュー・感想・評価

ストレンジ・アフェア(2019年製作の映画)
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亡き兄の恋人が彼の子供を妊娠したと言い出す。亡くなったのは5年前なのに…。オカルトか、まさか冷凍精子?というミステリーは、やがて残された家族と恋人の身元引受人となった老夫婦の秘密を明かしていく。
その真相は意表を突いて衝撃的なものの、観ていてずっと引っ掛かるのは兄の最期だった。プロムパーティの最高に幸せな夜を回想しながら、映画はそこを最大のミステリーとしてハラハラ想像させる。なので、このシーンが一番ショッキング。だからこそ、人は真実より信じたいものを信じる。例えどんなに無理があっても。
両足骨折した状態の弟ニック・ロビンソンも最初から秘密めいたものを思わせたけど、なるほどね。彼の痛々しいモノローグが巧い。妊婦のマーガレット・クアリーが助けを呼ぶ大声もすごかった。キャストは悪くないけれど、原作小説ならもっと余白を想像させて余韻を深めるのかもしれない。
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