無差別イイネは咒殺

わたしは分断を許さないの無差別イイネは咒殺のレビュー・感想・評価

わたしは分断を許さない(2020年製作の映画)
-
大必見映画。

「大きい主語」ではなく、個人に耳を傾ける。これって凄い大事だ。
なぜ今までこの事に気づけなかった...

香港、福島、辺野古、シリア、パレスチナ、平壌、入国者収容所。
その当事者1人1人に、映画というメディアを通して耳を傾ける。


そもそも映画や物語という物自体が、構造上根っこの部分で、誰かの人生を理解しようとするものになっているんじゃないか。

人は物語に触れる時、多くの場合その登場人物を理解しようとするはずだ。

で、この作品はドキュメンタリーであるが、出演された方々の話を聞き、あらゆることを考える。

でも、手軽な報道ではこうはいかない。

ネットニュースやテレビの報道番組では、伝えられる情報の数も限られているため、社会で何かが起こってもどうしても全体的な話に終始してしまう。

何人の方が亡くなったとかそんな話で終わってしまう。

でも本当はそこにたくさんの人がいて、人生があって、そこを知らなきゃいけないんだと思う。

これは震災の時にたけしさんも言ってた。
「ニュースでは何万人が亡くなったというが、本当はそのひとりひとりに人生があって、それを伝えなきゃいけない」みたいな感じだったはず。

でもやっぱり全部報道するのは難しくて、残酷なようだけど皆毎日いっぱいいっぱいで、どこかの誰かの苦しみを想像する余裕もなくて。

だからこそ、このような作品はとても重要だと思う。

そしてこの作品に限らず、あらゆるドキュメンタリー映画も、報道も、みんな必死で誰かの声を届けようとしている。


とにかく少しでも多くの人に見てほしい一作です。