磯野マグロ

わたしは分断を許さないの磯野マグロのレビュー・感想・評価

わたしは分断を許さない(2020年製作の映画)
3.1
【わかるけど、違うの…】74

気持ちはわかる。言いたいこともわかる。大きな主語で語る話はわたしも大嫌いだ。お前はお前でおれはおれだ一緒にするな、人種とか国とかで安易に括るんじゃねえよと言いたい。あれ、わたし初っ端から分断されたがってる?
ニュースをよく見てる人なら、大枠は知ってる話がほとんどだが、テレビよりは踏み込んでみせてくれる。堀潤はさすが元アナウンサーだけあってめっちゃソフトタッチ。ただ、いい人っぽさが前面に出てき過ぎて、見てていろいろつらい。
残念なのはテーマを詰め込んだせいか、映画としてじっくりみせる部分が少なく、テレビ的な感動話でよしとしてない?と感じられること。例えば3.11のあと子どもをつれて沖縄に移り住んだ女性の話。原発が爆発した、子どもが心配でたまらない。周りは無関心。ついに旦那と別れて沖縄に移住した、と。そこまでは、うんうん大変やろなあと思うが、地震の時に住んでたのが水戸と聞いて、ん?となる。そして、嘉手納や辺野古の問題に首を突っ込む…。これ真面目すぎな人の典型。目覚めると全部気になるのよね。生きてくの大変そう。
映画の中では彼女は、米軍基地の見学に行ってオスプレイの写真撮ってた。その時、気持ちを聞かれたんだけど、きちんと説明できなかった。
きっと時間をかけてそれをしっかり聞いて、ひとりひとりの気持ちの根っこにあるものを表に出すことが、分断された世界で、あるかなしかの「共有」を探すことなんじゃないかなー。
マシンとしてオスプレイカッコいいから写真撮るの当たり前じゃん、と思って見てた私はただのミリオタです。分断を乗り越えるって難しい…
磯野マグロ

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