とらキチ

メリー・コルヴィンの瞳のとらキチのレビュー・感想・評価

メリー・コルヴィンの瞳(2018年製作の映画)
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隻眼の戦場記者メリー・コルヴィンの半生を描いた作品「プライベート・ウォー」。それと同時にCSで放送されていたドキュメンタリー作品。
メリーの経歴も少しは触れるが、メインは彼女が命を落とす事となったシリア内戦での取材行。その様子を当事者のインタビューを中心にして描いている。
シリアの政府軍による市民への攻撃の実態がこれでもか!と描かれる。そんな状況下でもメリーはジャーナリストとして、極めて冷静にこの状況を伝えようとしていたことがわかる。誰かがやらなければならない、使命として。
「ジャーナリズムは変化を起こせると信じています」
という言葉がとても印象的。と同時にこのネタは自分のモノだとして、後から来た他の欧米系記者を敵視していたというのが、とても人間的。
彼女が亡くなった夜、YouTubeにある動画が投稿されたという。それはシリアのホムスの住民達が犠牲となったメリー達に感謝を捧げている様子だった。せめてもの気持ちなのだろう、涙が出てくる。
作品としては、その後生き残ったジャーナリスト達のシリアからの逃避行が語られる。そちらの方も、例えば、やって来た救急車が実はシリア政府から派遣されてきた赤新月社のモノだったから、下手に乗っていたら拉致されてしまったかもしれない等々なかなか凄まじい内容で、コチラだけでも映像化すれば成立するのでは、と思わせるような内容だった。
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