まめだいふく

ラ・ヨローナ ~彷徨う女~のまめだいふくのレビュー・感想・評価

3.0
 一見、『ラ・ヨローナ ~泣く女~』の続編か? と思った。だってジャケットそっくりなんだもん。そしたら全然違った。ラ・ヨローナの伝説が関連しているという共通点があるだけで、『泣く女』とのストーリー上の繋がりは全くない。本作は何と言うか、社会派ホラー? まあ、ホラーと言っても、それっぽい演出などはほとんどなく、かなりスローペースなストーリー展開。舞台も、デモ隊に囲まれた屋敷内が大半なため、刺激に欠ける。しかし、新人メイドのアルマの、どことなく妖しげな雰囲気は絶妙。挙動不審さと貞子並みのロングヘア-も相まって、「この女は何かあるな」と思わずにはいられない。

 それはそうと真面目な話、本作で取り上げられているグアテマラの大虐殺もそうだけど、2003年の大量破壊兵器所持を根拠としたアメリカのイラクへの軍事介入や、未だに続いているロシアのウクライナへの軍事進攻などで民間人が大勢犠牲になっているということに憤りを隠せないし、指導者たちに大した処罰が下されていないという事実にホラー映画以上に戦慄を覚える。
 
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