リンゴさん

わたしの叔父さんのリンゴさんのネタバレレビュー・内容・結末

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

大変良かったです。
クリスはいわゆるヤングケアラーです。
訳あって叔父さんにひきとられて一緒に住んでいますが、父方か母方の叔父なのかは分かりません。そういうところ、微妙に気になります。

叔父さんを一人にする事が出来ないクリスは叔父さんの事が心配なのと同時に彼に何かがあって自分が一人になってしまうのが怖いのかもしれないとも思いました。
自分の夢を追い求める勇気がない、ボーイフレンドに夢中になる勇気もない。
淡々と日々を過ごして牛達の世話、叔父さんの介護をする事が今の自分の立場を守る事になるのでしょう。
介護や育児、というのはそういう側面があるように思います。それを理由に現実から逃げて「今私にはコレがあるから」と納得させて、仕方がない、と思考停止させる、というか。

ボーイフレンドとのデートの時に叔父さんがヘアアイロンを買うのを提案してくれる場面が良いです。そして姪っ子の髪を切る。化粧をすると驚くほど美しくなるクリスも必見です。
クリスとボーイフレンドが今後どんな関係になっていくのか、気になるなー。

映画の良さの一つは行ったことがない国の景色を見せてくれる事ですが、きっと私は一生行けないであろうデンマークの農村風景が素晴らしく、本当に良い映画を観たなー、と感動しています。