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わたしの叔父さんのhamokoのレビュー・感想・評価

わたしの叔父さん(2019年製作の映画)
3.5
父親を亡くし、叔父の介助をしながら二人暮らしをするクリス。

ずっと心が見えなくて閉鎖的で息が詰まりそうで、久しぶりに「どこにも行けない」系の映画を見たな…

叔父が倒れたことで大学進学を諦め、家業を手伝い、獣医師という夢を見ないふりして。
朝起きたら叔父の介助や家事をして、牛の世話をして同じ日々の繰り返し。

その中で訪れた牛の出産から少しだけ世界が広がって、獣医の手伝いをし、恋もして。
けれど叔父を置いて数日家を留守にすることの罪悪感だとか、不安だとかが彼女を縫い止めてしまう。
クリスの無表情とどこか薄暗い自然の空気が「よくないことが起こる」と予感させて、なぜか目が離せない。
そしてクリスの生活や取り巻く世界はこのまま維持されるだろうけれどこれから好転するとは思えなかった。

自然の生活音で作られた映画で落ち着くけれど、なんだかずっと不穏な空気が流れている映画だった。
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