オトマイム

ラ・ジュテのオトマイムのレビュー・感想・評価

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)
4.0
果てしない絶望の底からわずかに手繰り寄せる希望、少年時代への郷愁、字幕の抜け落ちたささやき声と心臓の鼓動音の緊迫感。それらが綯い交ぜになり近未来のつめたく空虚な世界を打ち立てる。ギリギリまで削ぎ落とされた美しさに見惚れ、背筋が凍る。とても小さくて無色透明でずしりと重いものが胸の中にいつまでも残る、そんな忘れ難い映像体験。