kou

フル・モンティのkouのレビュー・感想・評価

フル・モンティ(1997年製作の映画)
4.0
《やろうと思ったことをやり遂げる》

イングランドのかつて鉄鋼業で栄えた街を舞台に、6人の失業した男たちが金を稼ぐためにストリップを計画する。笑えて、温かみのある作品だった。舞台の設定もいい。かつて栄えていて今はさびれてしまった街の感じが十分に伝わる寂しさがあった。寒々しい感覚が伝わってくる。

観ていると登場人物たちへ惹かれていくのがわかる。自分の見た目にコンプレックスを抱える男、自分が失業したことを妻に言えない男、自殺未遂をしようとした男、それぞれが悩みを持ちながら、ストリップの練習をする姿に応援したくなってくる。練習シーンで言えば、彼らがダンスに苦戦する中、サッカーのオフサイドの考え方をすると急にうまくいく部分に笑えた。そして、そんな登場人物が次第に結束ができてくるところも良い。彼らがサッカーをするところはとても良いシーンだ。

映画としてはとてもシンプルなストーリーながら、ラストシーンは感動させられる。暗い雰囲気が漂い、抑圧された後のきらびやかなラストに心が温まる。負け続けた男達が正攻法ではないにせよ自分たちのやろうと思ったことをやり遂げる姿に感動させられる一作だった。
kou

kou