前髪メガネ

はるヲうるひとの前髪メガネのレビュー・感想・評価

はるヲうるひと(2020年製作の映画)
3.9
その島には至るところに置屋が点在し、本土から日に2度来る連絡船が島への客の往来の足となっている。島に暮らす人びとはこの閉塞された島で一生を過ごし、女たちは客からの話を聞いて「外」への思いをはせ、男は女たちの多くが抱く夢を一笑に付して島に留まらせる。ある置屋の3兄妹。店を仕切る長男の哲雄は凶悪な性格で恐れられ、こびへつらう次男の得太を子分のように従えている。長女のいぶきは、長年患っている持病で床に伏している。この置屋で働く4人の個性的な遊女たちは、女を売る家で唯一女を売らず、誰よりも美しいいぶきに嫉妬していた。


佐藤二郎さんの主宰する劇団での公演を佐藤二郎さん監督脚本出演で映画化。

物語としてまず終始気分の良い内容ではないだけでく、そんな環境下でしか生きられない人たちの共依存感が鑑賞後も胸に残った。
個人的に佐藤二朗さんは今の10代とかには面白個性派俳優とかの印象があると思っていたからそんな人たちが哲雄を見たら卒倒しそう。

宮本から君へでの役も脇ながらも貫禄を感じたが今回はそれを大きく上回った。

フィクションとはいえここまで人間の内側のエグさを作品にするって凄いな。
前髪メガネ

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