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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
Three is a magic number ♪( ´▽`)

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ネタバレなしに驚いた要素や展開を何も語れない。
サイコー!٩( ᐛ )و って感想以外が浮かばない。
語彙力とか思考力が全部バカになるくらいサイコー!だった。

「スパイダーバース」は今作の前フリだったのか!と思ってしまうほど、過去のスパイダーマン作品群への愛と繋がりを感じてしまう。しかも一貫して描かれてることは同じっていう凄さ。(どうせなら日本版スパイダーマンやレオパルドンもマルチバースに加えて欲しかったけど、いよいよ世界観が大混乱しそうなのでスルーで正解)

ヴィランがスパイダーマンと鏡像関係にあるのが特徴的で、科学の才能に恵まれながらも大きな喪失を経験した孤独な男……どのユニバースでもピーター・パーカーもまた悪の道に堕ちてもおかしくないのに、ベンおじさんの言葉で踏み留まる。自分が持ってしまった力の使い道と責任について、自問自答を繰り返すのがスパイダーマンシリーズのキモかも。

振り返ればトムホ版スパイダーマンって、過去イチ幼くて未熟な男の子。父親と叔父と父親代わりを亡くした高校生なわけで。ただでさえ思春期や進学で多感な時期なのに、ナイショのヒーロー活動の挙句、指パッチンで消されたり、違う星まで行って宇宙を救ったり多忙がすぎる。今作だとより一層短慮な子供に描かれて見えて、そのせいで引き起こされる事態に向き合うことで大人へと成長せざるを得ない(アベンジャーズの他の大人に相談するとかしてほしかったが)。
中盤のあの判断は、彼の優しい性格を考えれば、致し方ないのは分かるし、彼自身の暗部(≒ヴィラン)を無かったことにしないって選択にも思える。暗部も自身の一部として見つめ直すことで、打ち消すよりちゃんとコントロールできるようになる。感情に振り回される少年期を脱して、理知的な成熟した大人になる物語だと思った。


いつまでも楽しい友達と夢のような冒険を続けていたいけど、誰もひと所には止まれない。これまでなんとなく避けてきた人生の選択をいよいよ迫られる。ピーターってサム・ライミ版&マーク・ウェブ版でも、巻き込まれた事態に対応することはあっても能動的に何かを選択することってなかったような。
だからこそ今作ではたくさんの選択をし、その結果に向き合い、責任を背負う作りに思えた。

過去作からの回収も素晴らしくて泣ける。落下するMJを救うスパイダーマンとか泣ける。わざわざマスク取って泣き顔見せてたもんね。
無駄話がいつもより多めになってるのも好き。悲惨すぎる状況に対抗するように、心がバカの方に振り切ってる感。ずーっと無駄話してるのがスパイダーマンとデッドプールの共通点でもあるし。ヴェノムより先にデッドプールと合流してくれる日は来るのか、来ないのか。

MCUにありがちな小ネタ・目配せが随所にあるけど、相変わらず拾いきれる気がしないので全部気にしないことにした(途中マルチバースの向こう側にバッファローマンみたいなシルエットが見えたけど、あれは一体なんだろう?)

余談)
エンドロールのDE LA SOULに一番ビックリした!
1st アルバムの最初の曲 “The Magic Number”
本編を見終わったあとなら、こんなにトンチの効いた選曲が素敵すぎる。またリリース当時、マッチョなHIPHOP全盛の頃に文系な言葉遊びと洒脱さで膝カックン仕掛けるようなDe La Soulの立ち位置が超カッコよくて、シリアスで脳筋なMCU作品群の中でスパイダーマンの立ち位置とちょっと似てる。
見た人なら分かるアノ3人のことでもあるし、ピーター・MJ・ネッドのことだし、素晴らしい三部作にもかかってる。


1本目
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