メモ魔

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームのメモ魔のレビュー・感想・評価

4.0
スパイダーマンノーウェイホーム

ヒーローが何故マスクを被るか。
それを1本の映画で述べ切った名作。

マーベルスタジオで唯一。
目に涙が溢れた。こういう作品を待ってた。マーベルスタジオ鑑賞作品最後にして最高の1本に出会えた。

1番感動だったシーンは、最後ピーターがMJへ自己紹介するシーン。
MJ[他にも何か?]
ピーター[、、、いや、、何も。]
この時見せたピーターの目に涙が止まらなかった。これは諦めや悲しみなんて単純な感情を見せる為の目じゃない。舌を噛みちぎる様な絶望と決心の目だ。
ピーターという存在から切り離されたMJと相棒が、彼ら自身の人生を謳歌している姿を見てピーターはこう思っただろう。
[自分と無関係であれば彼らはこんなにも輝かしい今を生きる事ができる。それを自分の孤独感を理由に壊す事はできない。]
ヒーローがマスクを被る理由。それは正体を隠す為だ。じゃあ何故正体を隠すか。それは身の回りの人間に被害が及びかねないからだ。だからヒーローはいつだって孤独でなくてはならない。ピーターは今回の騒動を経て、[ヒーローたる人間が孤独に負けた時点で、大切な人は1人ずつ消えていく]と思ったに違いない。
だから自分を思い出してもらう事を拒んだんだ。この選択ができたアベンジャーズは後にも先にもスパイダーマンだけだろう。今作を経てついにアイアンマンを超えるヒーローが誕生した。

自らの体を粉にして市民を守るヒーローは、その見返りに賞賛を貰う。
そこら辺のヒーローは善意の源をその賞賛に当てる。
しかし本物のヒーローは、、、?
たとえ蔑まれようとも、誰も自分の事を理解せず認識すらせず、覚えてすらない状態においても、人々の生活を力強く支えられる。そんなヒーローだ。
ピーターは自らの意思でそのヒーローたる真意にたどり着いた。
最高のヒーローだ。いつかMJがピーターの一端を思い出す日が来る事を心から願う。

4点。文句なし。
メモ魔

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