MasaichiYaguchi

ファースト・カウのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
3.8
ケリー・ライカート監督が、西部開拓時代のアメリカで成功を夢みる2人の男の友情を、アメリカの原風景を切り取った美しい映像と音楽で彩られた本作は、ドーナツ作りを通して、二人の男の間に少しずつ友情が芽生えていく過程を描くストーリーは「友情とは何か」と問い掛ける。
西部開拓時代のオレゴン州、アメリカンドリームを求めて未開の地へ移住した料理人クッキーと中国人移民キング・ルーは意気投合し、ある大胆な計画を思いつく。
それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツを作って一獲千金を狙うという、“甘い甘いビジネス”だった。
本作の共同脚本者でもある、ジョナサン・レイモンドによる小説「The Half-Life」を原作に映画化した本作だが、テーマは同じでも映画と原作では色々と違いがあるとのこと。
先ず、映画の舞台は1820年代、西部開拓時代のオレゴン州になっているが、小説の方は、アメリカだけでなく中国・広東省も出てきたり、時代も西部開拓時代と現代が並行して描かれているらしい。
ネタバレになりかねないので詳細は述べないが、根本的な“設定”が違っていて驚いてしまう。