8さん

ジャンゴ 繋がれざる者の8さんのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
3.9
アメリカの黒歴史である奴隷制度を伝統的な西部劇で描く骨太なアクション作品。

南北戦争が起こる2年前の1858年、世の中は白人によって支配され黒人の人身売買が行われていた時代。

奴隷のジャンゴは、他の黒人奴隷達と共に2人の白人に先導されながら別の街へと歩かされていた。その道中、一行はドイツ人の元歯科医師キング・シュルツと遭遇する。

シュルツはジャンゴが凶悪犯の顔を知っているとの事で、白人にジャンゴを引き取りたいと願い出るが応じてもらえない。半ば強引にジャンゴだけを我が物とするシュルツは、ジャンゴを気に入りパートナーとして扱い育てていくのだった…


『鎖から解き放たれて、凄い男がやってきた。無法の西部に復讐の銃声が轟く』


歴史的な問題である奴隷制度の論点を煮詰めて単純化し、それを個性的なキャラクターに象徴させておりクェンティン・タランティーノ監督の巧みな手腕ぶりが発揮されています。

劇中何度も発されるニガーという差別用語は、当時のアメリカでは日常茶飯事に飛び交っていた言葉で肌の色が違うだけの黒人を対等の人間として扱っていなかったことが伺えますね。

残虐な描写とブラックな会話とギャグに加え、まるで水戸黄門を観ているかの様な気持ちになるのは何故なのか?

アクの強い作品ですが、豪華キャストが活き活きと演技している作品でした。
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