つエ

きみの瞳(め)が問いかけているのつエのレビュー・感想・評価

3.8
10/15の先行上映で

韓国の映画「ただ君だけ」がオリジナル
さらっと見比べてみても、ストーリー展開やセリフ、さらには重要なシーンのショットの選択にいたるまでかなり忠実なリメイクだが、テーマ上重要な光の表現については今作のほうが映像としてより洗練されているように感じた

邦題は劇中にも出てくるロミジュリの一節からで、後に「僕はそれに応えなければならない」と続く
オリジナルからの変更点としては目が不自由なヒロインと訳ありの元キックボクサーとの年齢差が逆転していることが挙げられるが、このことで年下の男からの「僕はそれに〜」のひたむきさがより切なく響くラブストーリーになっている

前半、ヒロイン・明香里と元キックボクサー・塁がすれ違いながらも近づいていく過程がむず痒くて微笑ましい
眼が見えないが故の勘の良さとズレを共存させる明香里を演じる吉高由里子がとても魅力的だ

後半は韓国オリジナルらしい怒涛の展開になるのだけれど、日本版の方が鍵になるアイテムをより緻密に設定しているため、ラストの着地がよりコントロールされ、基礎点にさらに加点がついた印象
ここでは横浜流星の格闘シーンも見所だが、映画の中の一要素にしとくには惜しいぐらいの鋭さとクオリティがあったので、横浜主演の本格的なアクションもいずれ観たいと思った

それから、直接は関係ないだろうけど、同じ韓国オリジナルで横浜が舞台でという「見えない目撃者」と今作、ヒロインの境遇にまで共通するところが大きくてなんか面白かった
つエ

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