爆裂BOX

ストレンジ・シスターズの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ストレンジ・シスターズ(2019年製作の映画)
3.7
妖怪ガスーになった母の血を引き、ガスーになる運命の妹モーニックを救う為、ウィーニックは呪術の修行を重ねるが…というストーリー。
タイに伝わる首だけが身体を離れ、内臓をぶら下げたまま空を飛び、妊婦の胎児を狙う妖怪ガスーを基にしたホラー映画です。インドネシアのペナンガラン、ポンティアナク、中国の飛頭蛮、日本では小泉八雲のろくろ首等類似する妖怪は結構いるんですよね。
前半は姉妹(と言っても本当の姉妹ではない)ウィーニックとモーニックの日常が描かれます。お姉ちゃんのウィーニックは妹を救う為、自分の青春を犠牲にして呪術や格闘術の修行に励む日々を送ることになり、これが中々可哀想ですね。クラスのイケメンに恋心を抱くも、「そんな事より修行に集中しろ」と叔父さんに叱られ、そのイケメンにはモーニックの携帯番号聞かれたり、自分の番号教えてモーニックのふりしてチャットしたり、溜った不満を爆発させるシーンは切なくて良かったです。妹モーニック役はAKBのタイの姉妹グループBNKのメンバーでアイドルの子のようですが、夢で血塗れでベッドの上で悶えてたり、解剖した蛙を舐めたりとかなり身体張ってました。終盤はあんな姿に…でもこの「お姉ちゃんお姉ちゃん」と無邪気になつくモーニックとモーニックを何だかんだ大切に思って守り抜こうとするウィーニックの関係とラストはとても尊くて良かったです。遠くにガスーの光を見つけて妹の名を呼びながら走るラストは本当良かった。
敵のガスーは全員女性の集団ですが、後半首だけになる姿は中々キモくて良かったですね。ラスボスのリーダーの強キャラ感もいい感じでした。年老いた妹の終盤の笑顔も不気味でイイですね。
「マッハ!」や「チョコレート・ファイター」の監督ですがアクションはほぼないですね。でも、後半のガスーの集団とのバトルは楽しめました。ビルの貞子みたいな幽霊を式神の様に使って戦う所は「バケモンにはバケモンぶつけんだよ!」という感じですね。ボスとモーニックの妖怪バトルも中々楽しめました。
ジャンルとしてはアイドルホラーになるんでしょうが、結構楽しめた作品でした。