いかえもん

ルートケースのいかえもんのレビュー・感想・評価

ルートケース(2020年製作の映画)
3.6
JAIHOさんで今年の初めのインド映画。
この映画は出てる俳優さんとか全然知らなかったんですが、結構楽しめましたし、ちょっと考えさせられました。

小さな印刷工場で働く主人公。お金はいっつも足りないけれど、仲良しの奥さまとかわいい息子と幸せに暮らしていました。でも、ちょくちょくお金のことで奥様とは喧嘩したりもする。そんなある日、夜勤帰りに公衆トイレで用を足し帰ろうとすると、インドの公衆トイレってゴミ置き場みたいな感じで不法投棄物が積まれているんですが、そこからスーツケースが落ちてきて、中を見てみると信じられないほどの大金が…というお話。

まあこのお金がいわゆる黒い金だったことで、マフィアに追われてえらいことに!って展開になっていくのはわりとありがちなんですけど、大金を手に入れてからの主人公の行動がなんかちょっと心温まるっていう部分があるんですね。例えば、息子に躊躇なく風船を買ってやるとかジュースを買ってやるとか、すごくささやかなんだけど、それで家族みんなが笑顔になる。幸せってお金で解決できる部分ってやっぱりあると思うんです。少しのおいしいもの、少しのエンターティメント、少しの贅沢、そこから生まれる少しの気持ちの余裕。もちろん切りがないと言えば切りがないから、足るを知るって大事だとは思うけど、お金ってやっぱり大事だなって思った。でも、そのお金、スーツケースいっぱいも実はいらなくて、ちょっとでいいんだよね。それによって巻き込まれてしまった主人公が貧しくても元の生活に戻りたい!って思うところもリアルだった。ま、最後はコメディタッチの終わり方でしたけどもね。というか全体的にコメディです。結構笑えました。

マフィアのボスが、ナショジオチャンネル推しなのも笑えるんだけど、戦闘シーンでマガジンを貸せ!で出てきたマガジンに爆笑。スーツケースを盗んだ男の似顔絵を描け!って、シャールクカーンそっくりすぎ!で、爆笑しました。