35mmフィルムにほとばしる色彩と図形、そこに乗ったキューバ音楽で幾何学やノイズがダンスしているようにも見えるがこの頃これをレン・ライがDIYで制作したことに意義がある。
ブックレットには、当時この映画にふさわしい賞はなかったがブリュッセルで開催された国際映画祭で栄誉賞が贈られたとのこと。ある評論家は「私は波、ストライプ、タータンを彷彿とさせる激しい色合いの塊、バンダダ、下宿屋の壁紙、フルーツサラダ、カラフルなスパゲティ、カクテルバーでの爆発を見た後、歯医者のイスで意識を取り戻すのではないかと思った」とか言っていて面白いなと。今はこういう映像は死ぬほどあるが、当時映画というものが既に一大産業となっていた中で個人制作まで縮小して、個人が描いたり引っ掻いたりして画を描くというところまでもって行ったところに斬新さがある。つまりパンクだ。