この映画への意見がはっきり分かれることは間違いない。
ただ、何かが新しいと思う。
それをうまく言葉にはしづらい。
登場する生き物の感情が見てとれる演出はとても少ない。人の表情も動かない。
「ただ自然がそうである」ということを、日本のアニメみたいに美しく美しく脚色したり、誇張したりすることがない。(擁護するなら表現しにくい絵柄)
それでも、この簡素な3Dの絵柄でさえも自然を美しく感じたりして、すごく工夫があったのかもしれない。
テーマとしていろんな要素が入っていて意味深なことも、好感を持てる要因かもしれない。
でもストーリーは取ってつけたようなシンプルさだし、キャラクターを深ぼらせる気もあんまりなく、事象を淡々と描いている感じが、禅のような、死生観のような。
(ただ、やり方はそういうものだと
しても、それにしてはあんまりファーカスし切れていない感じも青いのかな…)
若い人が一人で作り切る、それそのものはとても立派なこと。
こうしてラトビアの机から日本のスクリーンに届く作品になっていることは、とても未来を感じるし素晴らしいと思う。
バイクのエンジン音の種類など、こだわりを感じるシーンも多くあった。
一人だからこそか、つくりの粗さを感じるのは仕方がないが、
技術的に拙くて表現できていないのか、
内容がそこまで深刻なものではないのか、が分かりづらかった。