【お姉ちゃんの夏時間】
とても静かな映画。
夏休みの昼下がりにウトウトまどろみに誘われるような。
大人たちの老いや思い出なんかも織り込まれてますけど、中心は思春期の少女の視点です。
いろいろ悩んじゃうし、
大人は何も分かっちゃくれないし、
弟は(時々可愛いけど)アホガキだし、
何だかうまくいかないし...
表面上淡々としていた彼女が、ラストに表出する感情は、積もり積もった喜怒哀楽が入り混じった複雑なものなんだろうか。
映画の中で何度か流れる「未練」という歌謡曲。
歌手違いの3バージョンが流れます。
これが、なかなかイイ曲なんです。
特に、ひとりソファーに座りながらニンマリと笑みを浮かべて聴く祖父と、見ちゃいけないものを見ちゃった感じで階段を引き返す少女のシーンは、深い味わいが滲み出ます。
監督のセンスの良さを感じます。
思春期の女の子の心の中は、僕には全く理解できません。
でも、そこを繊細な演出で見せてくれます。
弟がいるお姉ちゃんの心にきっと響くんでしょうね。