apple

ヴィタリナのappleのレビュー・感想・評価

ヴィタリナ(2019年製作の映画)
3.8
愛さえあれば

訪れる男たちはみな彼女に人生の辛さや、不幸を吐露する。
それを受け入れる彼女は一見聖母の様であるが、同時に男たちへの怒りも感じた。この映画で男という存在はヴィタリアにとって死んだ夫だけだが、他の男を並べる事でさらに男という存在とはなにかをヴィタリアの中で明確にしようとしていた。
神父に男たちは女の苦しみを捉え損ねると言った後の、『あなたが棺に入った女の顔を見ても、彼女が受けてきた苦しみはあなたにはわからない』という台詞。これはヴィタリア自身が考えたそう。とても良い。

彼女が彼の死を知るまで見ない様にしていた過去を遡り、それに別れを告げられるようにする行為の連続の映画。
apple

apple