ピロシキ

ヴィタリナのピロシキのレビュー・感想・評価

ヴィタリナ(2019年製作の映画)
3.7
現時点で、作品にありつけるチャンスの恐ろしく乏しいペドロ・コスタ。前作、というか姉妹作らしい「ホース・マネー」は観ていない。観たところで多少理解が深まる程度なのだろうけど、またいずれ後追いできる日を楽しみにしている。この「ヴィタリナ」に関しては(鑑賞する貴重な機会を得ておいてきまりが悪いのだけど)、少なくとも今年一ツラい劇場体験だった。開始10分で、割と大きめなイビキもどこかから聞こえてきた。修行だった。「血」のときから光と影の配置がお見事なペドロ・コスタ、しかし今回は130分のうち124分ぐらいが綺麗とかなんとか言うてる余裕もないぐらい暗く、ほぼ闇であった。

自身の人生が映画になり、自身の名がタイトルになった主演女優ヴィタリナが、表情ひとつ変えず淀みなく述べる亡き夫への怨み節、あれは台詞か、はたまた本音か。「女の苦しみ、男はどうして分からないのかしら。男なんてシャボン玉。バスルームから愛を込めて、ってかバスルームでシャワー浴びてたら上から石降ってきたんだけど……サイアク」って映画だと解釈。参考にしないでください
ピロシキ

ピロシキ