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花椒の味のshizuqのレビュー・感想・評価

花椒の味(2019年製作の映画)
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観ようと思えば幾度も壁に阻まれ、なかなか辿り着けなかった作品。映画館で観ることができてよかった。涙でマスクがべしゃべしゃになり、映画には替えマスクの必要性を痛感した。

家族って、一番近くて一番遠い。大切に思ってるのに、顔を合わせると伝えたいことも伝えられない。そういうもどかしさを自分のことのように感じながら、でもやっぱり伝えられる時に伝えておかなくちゃいけないなぁと思った。シンプルなことが一番難しいのだけれど。それと、3人の娘たちの関係性が素敵だった。それぞれの人生を歩んできた3人が父親の死を通して交わり、父親からの愛情を改めて知り、互いを癒していく姿に羨ましさすら感じた。

また、一番下の妹が言ってた「もしおばあちゃんが去ったとしても引っ越すのと同じ。次は人の心に住むんだよ」という意の言葉が心に残っている。死について考えることは今でもたまにあるし、その度にブラックホールに吸い込まれるみたいな感覚になり怖くなる。でもこの映画のこの言葉は今まで聞いたどの言葉よりも、あぁそうかと腑に落ちた。ちょっとファンタジーな言葉ではあるけど、私にはしっくりきた。
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