ジョンマルコビッチ総統

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のジョンマルコビッチ総統のレビュー・感想・評価

3.0

内容は原作にほぼほぼ忠実。
相変わらず松島晃のキャラクターデザインと背景美術の美しさが素晴らしい。
ただ、アニメの続編ながら映画という別媒体なのですこし構成を変えても良かった気もしないでもない(特にキャラクターの顔出しタイミングとか)。
説明セリフのコマをそのまま動かして悠長になる場面が若干気になってしまった他、リミテッドアニメーションの多用や、複雑な動きの少なさ、CGとの親和性などアニメなら十二分でも映画として見ると物足りなくもあった。呼吸の表現は映像漫画ともに、動きはなくとも画面をド派手にしてくれる素晴らしい表現だが、贅沢を言えば映画なので効果ばかりに頼らずしっかりとした剣戟を魅せて欲しかったところ(とはいいつつラストのアカザ戦は効果のおかげで素晴らしい迫力だった)。
音響に関してはどうしても言いたい。
環境音のリアルさがとても良かったのだが、戦闘シーンなど金属音と爆音、叫び声などを一緒くたに垂れ流してしまっている部分は、映画館の音響のせいかもしれないが大変耳障りでアンバランス!大きければ迫力が出るというのは絶対違うよ!
場面場面のボリュームの大小の差、BGMや音声の率直さなど、環境音が本当に素晴らしかっただけに余計に色々気になった。

普通に面白かったが、漫画、そしてアニメの続編のそれ以上でも以下でもないというのが正直なところ。

猫も杓子も鬼滅という昨今のブームに、原作単行本派の古参ファンとしては嬉しいような、世間の作品を消耗品の如く金儲けに使う態度のあけすけさに不満なような複雑な心持ち。
漫画もアニメも面白くて見応えがある良コンテンツなので、丁寧に大切にみんなで盛り上がって欲しいものだなあ。