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ラーヤと龍の王国のIkTongRyoのレビュー・感想・評価

ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)
3.9
新しい解釈の「ドラゴン」を描いた新時代のディズニー映画。

ムーラン?以来となるアジア系の世界観。
主役たちは女性、子供、女児、おっさん、アルマジロという異例中の異例な作品。ヴィランもレズビアン的な髪型の女性。筋肉ムキムキのイケメン白人男性が活躍する、伝統的なハリウッド時代の終焉を感じる。

東南アジアの文化がたくさん盛り込まれ、自然の風景や食事などがとても魅力的に描かれている。特に料理はめちゃくちゃ美味しそうなので映画館の帰りに東南アジア料理たべてしまった笑。東南アジアへすぐにでも旅行に行きたくなる映画。

お話の完成度も高く、クライマックスではどうしても泣いてしまう。やはりディズニーが作るプロットは完璧だ!各々が自分達の価値観と事情を軸に、正義をもって戦う。敵側も一概に”完全悪”というわけでもないのが、同情を誘発する。

Awkwafina演じるシスー(ドラゴン)も早口の漫才みたいで面白く、最強の彼女もまた、自分が所属する龍のコミュニティでは落ちこぼれという設定も面白い。龍の社会にもいろいろと事情があるのは、なんとなく今っぽいギャグでとっつきやすい。

恋愛的な愛ではなく、家族愛にフォーカスしているのは『アナと雪の女王』からの潮流であり、今後もしばらくは続く傾向だろう。ジェンターの平等性が注目を浴びている昨今、今作もまた”女性のエンパワーメント”に注力をしているが、テーマが説教くさくなくて話に自然と溶け込んでいる。だからこそ観客も嫌悪感などが一切なく、楽しく鑑賞ができる。

こういう作品が今後もたくさん出てくると嬉しいですね。
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