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ブータン 山の教室のpilotisのレビュー・感想・評価

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)
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僻地に教師が派遣され感化されるお話では「北の果ての小さな村で」が最高で、そんな感じを期待して観たもののちょっと違うテーマのようでした。

教師を辞めようと思っていた青年が期間限定で到着に3日もかかるブータン僻地に派遣され、電気もほぼ通ってない原始的な生活と素朴な村人達に触れる。

雪に覆われるはずの山は緑になり、でもそれが何故か分からない。
ブータンは世界一幸福な国と言われていても若者は外国に行き、主人公はオーストラリアに行こうとしている。

主人公だった教師が以前貼った紙は剥がれかけ、誰もいない教室が最後に映るのは、子供達の名前が残る微笑ましさだけではないビターな雰囲気を余韻に残して終わる。

子供達はみんないい子で協調性はあっても「二十四の瞳」のような個性と感情の揺さぶりはなく。可愛すぎる一人の女の子だけが強烈に目立っていて(めちゃめちゃ可愛い) 用意しました的な配置と演技の演出が作為的で白けてしまう。
村に到着するまでの長〜〜〜い道のりがじっくり描かれているのが良かった。貴乃花に似たアシストマン「ずっと上り坂だと言えば嫌でしょう」と言って生優しい言葉で山道をひたすら登らすの鬼だし、やっと村人達に会えた〜からの「ここから2時間です」が泣けるし、道程でヘッドフォンが効かなくなり鳥の声が聞こえてきたり、村の唄を聴いたり、3人しか住んでない村で話を聞いたり。
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